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最短で初段を目指す将棋の効率的な勉強法とオススメ棋書のまとめ

趣味

2016年11月17日更新

 

たまには自分の趣味について少し書いてみたいと思う。小学生の頃に少し遊んだ将棋を再び始め、現在の棋力は将棋24(オンライン将棋道場)のレーティングは1800~2200程度。

24でR2000と言うとアマチュア二段から三段程度の棋力とされ、それなりに強くなることが出来たと思う。そこで、ぼくが実際に行ってきた将棋の勉強法と実戦で気を付けるべきポイントをまとめて記事にしたいと思う。

 

この記事は完全な初心者ではなく、ルールを覚えてネット道場などで指しているが、なかなか勝つことが出来ない人を対象としている。この手の記事の多くは”まずは棒銀””まずは四間飛車”といった具合に初心者が指すべき戦法について書かれることが多い。

確かに定跡を知らない相手であれば上手くハマってくれて簡単に勝つことが出来るが、それでは棋力は向上せず、すぐに勝てなくなるだろう。この記事では基礎的な棋力の向上を目的とする。それが遠回りなようで、強くなるための近道だ。

 

http://www.flickr.com/photos/8106759@N08/1210333770

photo by drukaman *andré ferreira*

効率的に棋力を向上させる方法のまとめ 

 ざっくりとまとめるとこんな感じ。各ステップを細かく解説していく。

  1. 短手数(1から5手)の詰将棋と定跡書で”読む力”を付ける
  2. 手筋問題(各駒&寄せ)を繰り返し解いて中・終盤力の向上
  3. ポイントを抑えながら実戦を行い、勝負の感覚を磨く
  4. 対局を検討して棋力全体の底上げを図る

 

ステップ1.詰将棋と定跡書で”読む力”を高める

棋力を高める上で”読む力”は最も重要だと考える。読む力を鍛えるのには詰将棋と定跡書を利用した勉強法が効率が良い。多くの将棋勉強法で詰将棋と定跡どちらが重要か?が議論されるが、ぼくはこの2つは並行して行うべきだと考える。

実戦で詰将棋や定跡書に出てくる局面が出てくるとは限らない。しかし、このステップを怠ると棋力向上の効率は著しく低下する。逆に言えばこのステップをしっかり行い”読む力”が身に付けばその後の勉強の効率が劇的に向上する。

 

詰将棋のポイント

  • まずは3手詰めを繰り返すのが良い。多くの詰将棋の本を用意するのではなく1冊を何度も繰り返す。個人的には3手詰ハンドブック新版 [ 浦野真彦 ]が実践的な詰め手筋を覚えながら読みの力が身につくのでオススメ
  • 毎日、数問でも良いので継続することが大事。
  • 実際に盤に並べて駒を動かして解かない(並べるにしても読みきってから動かす)
  • 詰将棋のアプリはあまりオススメできない。理由は相手の玉が自動で動く事と、途中で間違うと終了してしまうため。これでは読む力が身につかない。

詰将棋を解くことはどのレベルになっても効率的な勉強法だ。ここに駒を打ったら、相手がこう逃げる、だから・・・といった具合に読むことを繰り返すのが将棋の基礎体力を作る。

 

定跡書を利用した勉強

  • 実際に盤に駒を並べて手順を並べる。
  • 詰将棋と同じく同じ本を繰り返し並べる。そうすることで自然と手筋を覚えながら実戦で急所を抑えられるようになる。
  • 自分の好きな戦法の本を1冊購入する。個人的には居飛車なら渡辺 明、振り飛車なら藤井 猛の本がオススメだが、詰将棋の本より好みが出やすいので棋書解説評価委員会将棋 棋書ミシュラン!−将棋本のレビューサイトなどを参考にすると良い。

よく「定跡書なんてその局面が出てこないから意味がない」と言った意見があるが定跡書を読みながら駒を並べていくことで”手の意味”が理解できるようになる。なぜこの局面でこの手なのか?なぜこの手を指すと悪くなるのか?を考え、理解することで序盤で潰れる事が少なくなる。これだけで勝率は上がる。

 

ステップ1を徹底的に繰り返し、読む力が身に付けば、それなりに勝てるようになっているはずだ。将棋24でのレートで1000程度までならステップ1だけで到達出来ると思う。

 

ステップ2.手筋問題で中・終盤の力を磨く

http://www.flickr.com/photos/79483819@N02/10559637786

photo by Mr_sleip

ステップ1で読む力を向上させたら、もう少し実践的な手筋の問題を解き、実戦で使える物にしていく。特に終盤の寄せの手筋はアマチュアレベルの将棋では必須と言える。プロのように長手数の詰みを読み切る力より、簡単な詰みに繋がる指し手のほうがアマチュアでは実戦的だ。

 

手筋勉強のポイント

  • 各駒の手筋の中でも歩と金の手筋は実戦でも頻出度が高いので優先的に覚える。特に歩の使い方が上手くなると棋力は大幅に向上する。
  • 寄せの手筋は将棋で勝つ上で最も重要と言える。寄せの手筋200 [ 金子タカシ ]がダントツでオススメ。ぼく自身、この本で勉強してから終盤力が劇的に向上した。少し初級者には難しい問題もあるが、基礎編と応用編に分かれているので基礎編だけ解いて、応用編は答えを見て並べるでも良いだろう。
  • ここでも多くの棋書に手を付けるのではなく、1冊の本を繰り返し解くことが重要。

この勉強はステップ1がしっかりと出来ていればあまり苦労はしないはず。もし手筋問題が上手く解けない時はステップ1に戻って読みの基礎体力を向上する。もちろんスムーズに解けてもステップ1は継続して行う。

 

 

毎日継続することが大事

ステップ1とステップ2の勉強は毎日継続することが何よりも大切。1日10分でも良いので時間を見つけて続ける。1回の勉強時間を長くするより、少しの時間でも毎日行うほうが絶対に棋力は向上する。

 

ステップ3.ポイントを抑えながら実戦を行い、勝負の感覚を磨く

ステップ1とステップ2で将棋に必要な力はかなり身についているはずだ。しかし実戦で勝つためにはもう一頑張り必要だ。ここでは棋力を向上させる対局の方法を解説していく。勝つための心構えと言っても良いかもしれない。

 

集中して指す

当たり前の事かもしれないが、実際に行うのは難しい。ネット将棋はいつでも将棋が指せる手軽さの反面、雑な対局も多くなりがちだ。適当に指して勝つより、集中して負けたほうが得られる物は多い。ぼくがネット将棋で指してきて最も反省していることだ。

手拍子で指さない

いわゆるノータイム指し。これはオススメできない。たとえ取る一手でも一呼吸おいてから指してほしい。対局終了時の持ち時間が極端に余るようになったら集中力が切れてきている証拠、その日は指さないほうが良い。

同様の理由で将棋ウォーズなどの◯分切れ負けもオススメしない。切れ負けは将棋と別ゲームと割りきって遊ぶべきだ。面白いからぼくも好きだが…

負けが続いたら指さない

ネット将棋ではレーティングという実力を表す数字がある。負けると当然下がるのだが、それが原因ですぐに取り返してやろう!と続けて対局する人がいる(ぼくもそうだった)が、そのような精神状態で同じレベルの実力者と指せば大抵負ける。

そして連敗スパイラルに落ちて、モチベーションが下がる。こうした状況を避けるためにも”1日◯局まで”とか”連敗したらその日は指さない”など自分なりのルールを設定すると良い。

 

必ず自陣に目を配る

将棋は相手の玉を詰ませることが目的となるので、どうしても敵陣に目が行きがちになる。寄せや詰みが見えるとなおさらだ。しかし、自玉が1手でも先に詰まされると負けなので自玉の危険度は常に把握しておきたい。そうすることで受けの力も身につくし、終盤の1手差の斬り合いにも自信が持てるようになってくる。自陣を気にする癖をつけてほしい。

 

わからない時は開き直る

序・中盤は終盤に比べて指し手が広くどう指していいかわからなくなる時がある。そんな局面では悩んで時間を使うより、思い切り良く決断して指したほうが良い。そうすることで相手は自信があるのか?と勘違いしてくれるかもしれない。そんな駆け引きも将棋の面白さの1つだ。 

 

ステップ4.対局を検討して棋力全体の底上げを図る

ネット将棋では対局後に初手から再生することが出来る。この機能を使って自分の将棋を見直すことで、大幅に棋力を伸ばすことが出来る。

 

なぜ負けたか?悪手を検討する

将棋は突き詰めれば答えがあるゲームで、悪手が多い方が負ける。なぜ勝てたを考えるのではなく、負けた側を持って検討する方が棋力は向上する。自分が勝った時は相手の何が悪かったか?を検討することが大事だ。特にアマチュアの場合、好手で決まると言う場合は少ない。

 

感想戦は最高の勉強方法

将棋24ではチャット機能を利用して感想戦も行える。対局が終了したら一言「感想戦いかがですか?」と声をかけてみよう。99%無視されるが、たまに付き合ってくれる人がいる。そんな時はトコトン感想戦をすると良い。どこが悪手だったか?形勢判断はどうだったか?何手目はどう指すのが良かったか?観戦者も対局後はチャットに参加できる(対局中は観戦者のみでのチャットは可能でこれも勉強になる)ので気になったことを聞いてみよう。

 

他人の対局を観戦する

他人の対局を観戦するのも非常に良い勉強になる。もちろんただ観戦するのでは意味がない。自分なりに形勢判断をする、次の1手を考えるなどしながら観戦することで棋力は向上する。また、他に観戦者がいる場合はチャットしながら観戦出来るので色々聞いてみるのもいい。対局者にチャットは見えないので迷惑にはならない。

不思議な事に他人の対局を見ている時は良い手がポンポン出てくる。その感覚のまま対局できれば良いのだが、そうは行かないのが勝負の難しいところか…

 

盤外編 脳内盤を作る効率的な方法

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photo by dierk schaefer

将棋に慣れてくると頭のなかで将棋盤をイメージして具体的に駒を動かすことが出来る。必ず脳内盤が無ければ将棋が強くなれないというワケではないが、持っていると何かと得ではある。ぼくも1面だけなら目隠し将棋が出来る(終盤ゴチャゴチャするとたまにやらかすけど…)程度に脳内盤を作れたので、その方法をメモしておく。

 

盤外編ステップ1 アダルトビデオを見るのをやめて官能小説を読む

ふざけているように思われるかも知れないが、最高に効率のいい方法だ。アダルトビデオでエキサイティングシーンを視覚と聴覚を通じて脳に興奮を与えるのと、官能小説でエキサイティングシーンを読み、脳内で描写するのでは圧倒的に後者の方が高レベルな脳の使い方と言える。最初は3×3マスとかの小さな将棋盤しか作れないかも知れないが、このトレーニングによって脳内で書ける映像の大きさがドンドン大きくなる。

別に官能小説でもなくてもいいが、ぼくはスマホで読める無料の官能小説サイトでトレーニングした。

盤外編ステップ2 詰将棋を暗記して脳内で解く

ステップ1で脳内で将棋盤と駒を作れたら、具体的に動かす練習を始めよう。その練習として有効なのは詰将棋の問題を見たら本を隠して解くことだ。最初は記憶するのに時間がかかるかも知れないが、徐々に覚えが早くなる。大抵の詰将棋は部分図なので、ステップ1で脳内盤が出来ていればそこまで苦労はしないはず。目的は脳内盤で駒を動かす練習なので簡単な詰将棋でOK。

 

以上を繰り返し、対局を重ねて将棋慣れしていくと自然と脳内盤がスムーズに動くようになる。

 


 

効率良く棋力を高めてくれる10冊の棋書

ぼくが実際に使ったことがある棋書を紹介しておく。戦法の好みなどによって偏りがある点に注意してほしい。対象者は将棋24が基準、オススメ度は主観で最高は5。

現在はスマホアプリなどでも将棋の勉強が可能だが、効率良く強くなりたいなら絶対に棋書を使ったほうが良い。

 

定跡関連

 

アマチュアで多く指される基本的な戦法を広く浅く取り上げた総合定跡書。全体的に古い形が多いが、それぞれの戦法の特徴を掴むのに役に立つ。まだ自分の指したい戦法がわからない人にオススメ。

対象者 初心者~13級

オススメ度 ★★★

 

 

 

 

 

 

四間飛車を指すなら是非オススメしたい良書。この本の良い所は次の一手形式で定跡を学びながら”読む力”を身に付けられるところ。特に1では四間飛車VS居飛車急戦という初級者で多く見られる将棋で初級者から高段者の復習まで幅広く使える。

残念な点は居飛車側の飛車先を突き捨てた形が取り上げられていない事と、現在では定跡が進歩して結論が変わっている場所があることか。しかし高段者でない限り、そこまで気にする必要はないだろう。

対象者 15級~5級

オススメ度 ★★★★☆

 

 

 

 

 

相振り飛車が苦手だと言う人は多い。ぼくも将棋を始めて最初にぶつかった壁が相振り飛車だった。どうしても力勝負になりやすく指し手のセンスが問われやすい。相手が振り飛車とわかった瞬間、無理に対抗系にしている人は多いのではないだろうか?この本は次の1手形式で相振り飛車の戦い方が体系的にまとめられている。相振り飛車は指しこなせるようになると非常に面白い戦型なので是非、挑戦してほしい。

対象者 13級~1級

オススメ度 ★★★☆

 

 

 

 

 

 

渡辺明竜王は羽生善治三冠と並ぶ将棋界のトップ棋士だが、棋書に関しては棋界でナンバーワンだとぼくは考えている。その理由として、結論をハッキリ書く、アマチュアを意識しているという点にある。この局面はアマチュアならハッキリと振り飛車良し、居飛車良しといった感じが渡辺明竜王らしい。四間飛車破りというタイトルだが四間飛車を指す人でも勉強になる良書。

対象者 12級~段位者

オススメ度 ★★★★★

 

 

 

 

 

上の本の居飛車穴熊編。玉の固さを重視し細い攻めを繋ぐ技術に関して定評のある渡辺明竜王が解説している穴熊を指すなら絶対に読みたい良書。ただ穴熊という戦術自体が初級者には難しいので、個人的には急戦を勧めたい。

対象者 8級~高段者

オススメ度 ★★★

 

 

 

 

手筋関連

将棋で勝つために必要な寄せの技術がギッシリと詰まった終盤力向上の棋書の最高峰。ぼく自身もこの本を繰り返し解いて、驚くように終盤に手が見えるようになった。実戦でよく出る形をパターン別に分類して基礎と応用に分けて、解いている内に自然と終盤力が身につく。多くのトップ棋士が絶賛した良書。本当にオススメ。

対象者 15級~高段者 (低級者は答えを見て並べるだけでも効果あり)

オススメ度 ★★★★★

 

 

 

 

 

羽生善治三冠の実戦から次の1手形式で終盤の入り口から寄せまでに必要な感覚を身につけることが出来る。終盤の手筋というより終盤における”考え方”を身につける為の本と言える。羽生善治三冠の棋書はかなり感覚を重視したものが多い気がする。

ただしこの本は難易度がかなり高く段位者向け。ぼくもこれで寄ってるだろ?と思ったら足りないということが多く答えを見て盤に並べることが多かった。(羽生善治三冠の実戦からだから当たり前だが…)

ここは少しゆっくりしていい、ここはスピードが最優先など終盤における大局観が磨かれる良書。

対象者 段位者~高段者

オススメ度 ★★★★

 

 

 

 

 

実戦で最も多く使われる歩の手筋と金銀の手筋が学べる。元々は歩の手筋と、金銀の手筋が別の本で出版されていたものを合わせて1冊にしたもの。将棋の基本的な手筋は年月が経っても変わらないので、定跡書ほど新しい、古いにこだわる必要はない。

繰り返し読むことで実戦で自然と使えるようになる。関係ないが羽生三冠は歳を重ねる程にイケメンになっている気がする。

対象者 全て

オススメ度 ★★★★

 

 

 

 

 

詰将棋

3手詰めは読む力の基本となる、自分がこう指したら相手はこう、だから自分はこう…この繰り返しが棋力を高める。このシリーズは前半に基本的な詰み手筋が含まれた問題が多く、後半は少しひねった問題も多い。ハンドブックというだけあって、どこでも手軽に詰将棋を解くことが出来るのも良い。1冊を45分以内で終わることを目標にしてほしい。物足りなくなったら同じシリーズの5手詰ハンドブック新版 [ 浦野真彦 ]7手詰ハンドブック [ 浦野真彦 ]もオススメ。

対象者 全て

オススメ度 ★★★★

 

 

 

 

 

詰将棋とはちょっと違うかもしれないが、将棋は相手の玉より自玉が先に詰まされたら負けなので逃げ方や受け方も重要だ。

詰将棋の作者として有名な著者が書いた”逆”詰将棋と言える本。詰将棋より実戦での終盤力を磨くことが出来る。危ないようで詰んでいないという判断が出来るようになると、終盤の斬り合いに強くなる。自玉の安全を見切っているからこそ強く踏み込めるのだ。

対象者 全て

オススメ度 ★★★★☆

 

 

 

将棋を楽しもう

http://www.flickr.com/photos/25286265@N00/3622117780

photo by kawabata

これまで効率的に将棋が強くなるための方法論を説明してきたが、どんなに効率の良い学習方法も継続できなければ意味がない。身も蓋もないことだが、まずは将棋を楽しんでほしい。時には勝ち負けを無視して自分のオリジナル戦法で指し手みるのも良いかもしれない。

楽しむことが継続するための唯一の方法だ。興味が続く限り人は学ぶことが出来る。

 

将棋が強くなる方法に裏ワザは存在しない。堅実なステップを一段、一段上がっていくのが最も近道だと理解し、何よりも楽しみながら将棋を指してほしい。

 

 

 

(記事内の棋士の段位、冠位は最終更新日時点のもの)